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「治療を始めること」、それはご夫婦にとって、人生の分岐点かもしれません。なぜならご夫婦の人生において子供がいる家庭かそれともいない家庭なのか、親として子供を育てるのか育てないのかは、数十年先においての夫婦のあり方、ライフスタイル全てに大きくかかわることだからです。
大阪NewART クリニック開院当初の20 年前から比べると生殖医療技術は今ではずいぶん進歩してきました。技術的には生殖医療は進化し成熟してきた感があります。しかしながら、やはりいつの時代でも、そこには患者さんそれぞれの悩みや葛藤があります。
私が長年、診療を通して思うことなのですが、この患者さんがこの一歩を踏み出すか踏み出さないかで、もしかしたら妊娠するかもしれない・・・もしかしたら人生が変わるかもしれない・・・という場面に直面することがあります。もちろん私は、大阪NewART クリニックに来られる患者さん、つまり私の力を必要としている患者さん全ての方に、妊娠していただきたい!と強く思っています。体外受精の歴史とともに歩んできた大阪NewART クリニックの最新で最良の知識・技術を提供し、私自身も真剣に一生懸命対応させていただきます。ただ、その一歩を踏み出すかどうかは、ご夫婦ご自身なのです。
先日、当院で妊娠された方が、出産後12 年ぶりに当院を訪ねてきてくださいました。当時その方は40 歳で他の医療施設では妊娠されず、思い切って当院に転院され、無事に体外受精で妊娠、出産された方です。ただ、色々な話をされていましたが、興味深かったことは、出産後のことについてでした。子供の年齢が同じでも、親の年齢の違いによる公園砂場デビューに苦労したこと、どうしても子供を医師にしたいと考え、生活が子供中心になってしまったことなど、出産後の色々な苦労話をされ、それと同時に、お子さんを立派に育てられているという達成感や生きがいについてお話しをしてくださいました。もし、この方が当院に来られていなければ、また違った人生があったのかもしれません。しかし、生き生きとお話される姿に、この方が踏み出した一歩は大きかったのではないかと考えさせられました。
そして、妊娠はゴールではなく、この不妊治療という人生の分岐点の後には、それぞれの人生が続くのだと、つくづく考えさせられた再会でした。
20 年以上もの間、不妊症専門医師として診療を通して多くの方々の人生に関わっていくうちに、皆様が真剣に人生と向き合って結論を出されていく姿を目のあたりにしてきました。私自身が様々な事を考えさせられ、また私自身が皆様から教えられる日々でした。結果として私自身が人として成長していくことが出来、人生が豊かになってきたように思います。
人は様々な場面で選択をせまられます。決断をしなければなりません。「あの時こうしておけば良かった。」「ああしておけば良かった。」など後悔をしてほしくはありません。人生においていつまでも不妊症治療が続くことはなく、いつか治療を終える日が来るのです。ここで、皆様ご夫婦と我々大阪NewART クリニックとが力を合わせて、チームとなることで妊娠という新たなスタートにたどり着くのではないでしょうか?
妊娠というスタートにたどり着くにはご夫婦の協力が不可欠です。どのように協力すればよいのか?どのような心構えが必要なのか?など様々な具体的なことは当事者でないと分からないと思います。
そこで、不妊症治療経験者である大阪NewART クリニックを卒業された方々からアドバイスをいただきました。きっとここには、治療を通して学んだ夫婦のあり方や、心の持ち方、お互いの役割、妊娠するまでの治療への取り組みなど様々なヒントや秘訣があると思います。
具体的で共感できるアドバイスがありますので、ぜひ参考にしてください。