着床不全
Implantation Failure
その一回一回に
次に繋がる理由があります
妊娠はするけれど、出産までたどり着けない。良好な胚を移植しているのに、なぜか着床しない。不育症と着床不全は、同じものではありません。けれど、どちらも「なぜ次に進めないのか」を一つずつ見直す必要がある状態です。
大阪New ARTクリニックでは、検査結果だけを見るのではなく、これまでの妊娠歴、流産歴、移植胚の状態、子宮内膜、免疫、ホルモン、血液凝固、そして治療経過全体をふまえて、次の治療方針をひとりの医師が一貫して組み立てます。
着床不全について
着床不全とは、良好な胚を複数回移植しても、妊娠に至りにくい状態をいいます。ただし、着床の仕組みにはまだ分かっていないことも多く、明確な定義は一つではありません。当院では、必要性の高い検査を見極めながら、治療歴や年齢、胚・子宮・移植方法を総合的に見て判断しています。
-
着床不全の主な要因
着床不全では、良好な胚を移植しても妊娠に至らない背景に、胚の状態、子宮内膜、移植のタイミング、免疫、炎症など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
そのため、原因を一つに決めつけるのではなく、現在確認できる範囲で、着床に影響する可能性のある要因を一つずつ見直していきます。ただし、すべてのケースで明確な原因が特定できるわけではありません。
-
胚(受精卵)
胚のグレードが良好に見えても、染色体の問題や発育の力など、見た目だけでは分からない要素が関係することがあります。
-
子宮内
子宮内膜の厚さや形、血流、ポリープや筋腫、慢性的な炎症など、子宮内腔の着床環境が整っているかが重要です。
-
移植のタイミング
子宮内膜には、胚を受け入れやすい時期があると考えられています。いわゆる「着床の窓」(受容期)やホルモンのタイミングで、「いつ戻すか」が結果に影響します。
-
その他要因
免疫的な影響、血流の問題など
-
-
着床不全で行われる主な検査
子宮側の検査 子宮鏡検査 子宮内を直接観察し、ポリープ、炎症、癒着、子宮内膜の異常などを確認します。 慢性子宮内膜炎検査
(CD138)慢性的な炎症がないかを確認します。必要に応じて抗菌薬治療を行います。 ERA検査
(着床の窓)子宮内膜が着床しやすいタイミングを調べ、胚移植の時期を評価します。 EMMA・ALICE 子宮内フローラを調べ、善玉菌バランスや慢性内膜炎関連菌を評価します。 甲状腺・免疫・凝固系検査 甲状腺機能、ビタミンD、自己抗体、血液凝固異常などを確認します。 -
着床不全の治療
子宮側の検査 慢性子宮内膜炎治療 抗菌薬を使用し、必要に応じて再検査を行います。 移植タイミング調整 ERA結果に応じて、黄体ホルモン開始から移植までの日数を調整します。 子宮内環境改善 ラクトバチルス改善、ホルモン補充調整、子宮内膜評価などを行います。 胚移植法の工夫 凍結胚移植、自然周期移植、ホルモン補充周期移植などを検討します。 補助療法・先進医療 AHA、ヒアルロン酸含有培養液、SEET法などを検討することがあります。 排卵誘発方法の工夫 個々の状態に合わせて、排卵誘発方法を検討します。 薬物療法 タクロリムス、低用量アスピリン、ヘパリン、漢方療法などを必要に応じて検討します。
当院の考え方
着床不全では、検査が増えやすく、「何をどこまで行うか」が非常に重要になります。着床という現象は、まだ十分解明されていません。
そのため、現在行うことが可能な検査をすべて行っても、原因が必ずしも明らかにならないこともあります。
だからこそ当院では、必要性の高い検査を見極め、治療歴や年齢を踏まえ、胚・子宮・移植方法などを総合的に見ながら判断しています。