木漏れ日の影

受精卵の凍結

Embryo Cryopreservation

受精卵凍結は
未来につなげるための治療

当院では、「超急速ガラス化法(Vitrification法)」という方法を用いて凍結を行っています。この方法は、胚へのダメージをできるだけ少なくしながら保存できる凍結技術であり、将来の移植に備えた未来につなげるための方法です。

採卵から移植までを一度に進めるのではなく、一人ひとりの状態と、胚と子宮の状態を見ながら、よりよいタイミングで移植につなげるために受精卵の凍結を見極めます。

凍結胚移植とは

凍結胚移植とは、採卵周期に得られた受精卵を一度凍結保存し、後日、子宮内膜の状態が整った周期に胚を融解して移植する方法です。
胚移植は原則として1個までとなるため、複数の良好な受精卵が得られた場合には、良好胚を凍結保存し、多胎妊娠を防ぐことが可能になります。
また、凍結胚移植を行うことにより、「タイミングの最適化」を行う事が可能となるため、採卵後、新鮮胚移植を行わず、全胚凍結を行うことがあります。

移植の成功には、子宮内膜の状態、ホルモンのタイミング、胚の状態が一致することが重要です。ただ戻すだけではなく、「合わせること」が結果に影響します。採卵周期では、ホルモンの影響により子宮内膜の状態が不安定になることがあります。そのため、凍結することで、より良い条件で移植が可能になります。凍結胚移植は高い妊娠率が得られる移植方法の一つとなっています。
1997年、大阪NewARTクリニックは開院しましたが、同年に日本初の凍結胚盤胞による児の妊娠出産に関わっています。

What We Value 受精卵の凍結による
メリット

  • よいタイミングで
    移植しやすくなります

    子宮内膜の状態や体調を整えてから、より適した周期に移植を行うことができます

  • 多胎妊娠のリスクを
    抑える考え方につながります

    一度に戻す胚の数を調整し、残った受精卵を凍結することで、複数の胚を同時に移植する必要性を減らせます。

  • 治療計画を
    立てやすくなります

    凍結受精卵がある場合、移植から治療を再開できる可能性があります。身体の状態やご希望に合わせて、今後の治療計画を検討できます。

  • 採卵したときの年齢の受精卵を残せます

    受精卵は、凍結している間に年齢を重ねることはありません。将来の移植に備えて、採卵したときの卵子からできた受精卵を保存できます。

  • 採卵の負担を減らせます

    凍結しておいた受精卵がある場合、次回以降は採卵を行わずに移植できます。

  • 良好胚では高い妊娠率が
    期待できます

    良好胚が得られた場合、凍結胚移植は新鮮胚移植より高い妊娠率を示しています。状態を見極め、より適した周期に移植します。

Technology

大阪New ARTクリニックの凍結技術

大阪New ARTクリニックでは、日本で胚凍結がまだ広く普及していなかった時代から、分割胚・胚盤胞の凍結に取り組んできました。

かつて主流だった「プログラムフリーザー」による緩慢凍結法から、短時間で胚を凍結する「ガラス化法〈Vitrification法〉」へ。早期から新たな技術を取り入れ、より安定した凍結・融解技術の確立に努めてきました。

凍結した受精卵は、融解後にすべてが正常な状態へ戻るとは限りません。当院では現在、凍結融解後の胚の98.2%が生存し、胚移植につながっています。

胚盤胞移植とガラス化法が広く用いられるようになった現在、胚凍結は生殖医療における重要な選択肢のひとつです。当院では、長年培ってきた経験をもとに、胚への負担をできる限り抑え、融解後の状態まで見据えた凍結を行っています。

また、融解後に胚を包む透明帯が硬くなっている場合には、必要に応じてレーザーによるAHA(アシステッドハッチング / 透明帯開口法)を行います。

これまで蓄積してきたデータと経験をもとに、一つひとつの胚の状態を丁寧に見極め、適切な生殖補助医療技術を選択しています。

AHA(アシステッドハッチング / 透明帯開孔法)

胚は「透明帯」と呼ばれる薄い膜に包まれています。着床するためには、この透明帯を破って外へ出る「孵化(ふか)」という過程が必要です。年齢や凍結・融解の影響などにより、透明帯が硬くなったり厚くなったりすると、胚が外へ出にくくなる場合があります。

AHAは、移植前にレーザーで透明帯の一部に小さな開口をつくり、胚が外へ出やすいようにサポートする技術です。当院では、年齢や凍結・融解後の胚の状態などを確認し、必要に応じてAHAを行っています。