木漏れ日の影

妊娠へつながったヒント

-未来のあなたより-

「何度転んでも前を向く力 ― 医師だからこそ伝えたい不妊治療との向き合い方」

卒業生からいただいたメッセージ

卒業生からのメッセージ

クリニックに通い始めたとき、このメッセージ集を読んで涙が出そうになったことを覚えています。その体験記を書く日が来たことが嬉しくもあり、まだちょっと信じられませんが、私の感じたことを少し書かせていただきます。
治療開始当時、私たちはともに4年目の医師で、入籍直後でした。
人間ドック目的の子宮頸がん検診で高度異形成と診断され、治療したため、再発前に出産したいと思い、入籍直後に通院を開始しました。私には多嚢胞性卵巣症候群等、夫は乏精子症のため、最初から顕微授精を行いましたが、5回連続で着床せず、夫の原因検索の間に人工授精を行うことになりました。
夫に精索静脈瘤が見つかり、術後初回の人工授精4回目で妊娠することができました。
この1年半の治療期間で感じたことをいくつかあります。
■ ストレスに負ける自分を許してあげる
不妊治療、特に体外・顕微授精では、身体的・心理的・経済的負担が大きいです。私は採卵や胚移植のための遅刻・早退、当直業務の免除等をしたため、何度も後ろめたく思いました。また、治療費がかさみ、食事すら節約が必要になることもありました。
ですが、「できないことを増やすだけでこれでいいんだ。」と思うことで、「これで子どもを授かるための必要な時期の一部だ」と考えられました。今の自分を許してあげてください。
■ 夫とのコミュニケーションには工夫が必要
夫も医師でしたが、精神科一年目で、仕事で遠距離生活をしていたため、治療内容を細かく説明していました。夫は積極的で大変心強かったのですが、温度差を感じることもありました。しかし、同じ検査・治療を経験できない男性がそう感じる部分があるのは当然です。
男性の理解・態度・「治療のためだけではなく、治療で感じたことや気持ちを言葉で共有する」ことも重要だと感じました。
■ 医師を信じる
医療ではエビデンスが重要と言われますが、不妊症に関しては解明されていない部分が多いです。この分野では、エビデンスや検査結果だけではなく、富山先生の症例経験値を信じてください。
■ 自分たちを信じる
何より、実際に検査・治療して妊娠するのは自分たちです。
落ち込むことも、自分たちを信じること、そして先生を信じて前に進んでください。
最後に、大阪New ARTクリニックのスタッフ皆さま、富山先生に心より感謝いたします。

ご妊娠、そしてご卒業、誠におめでとうございます。
このたびは、ご自身の体験をここまで率直に、そして医学的な視点も交えながらまとめてくださり、本当にありがとうございます。
初めて当院へ来られた時に卒業メッセージ集を読み、「いつか自分もここに書けたら」と思われていたこと、そして実際にその日を迎えられたことを、私たちも心から嬉しく思います。
お二人とも医師という立場でありながら、ご自身の治療では患者として悩み、不安になり、何度も壁にぶつかられました。
高度子宮頸部異形成、多嚢胞性卵巣症候群、そしてご主人の乏精子症・精索静脈瘤など、複数の課題を抱えながらも、一つずつ乗り越えていかれたことは決して簡単なことではありませんでした。
顕微授精を5回続けても着床せず、その後、ご主人の手術を経て人工授精4回目で妊娠に至った経過は、不妊治療には決して一つの正解だけがあるわけではなく、ご夫婦それぞれの状況に応じて柔軟に治療を組み立てることの大切さを改めて感じさせていただきました。
今回のメッセージの中で特に印象的だったのは、「ストレスに負ける自分を許してあげる」「夫婦で気持ちを共有する」「医師を信じる」「自分たちを信じる」という四つのメッセージです。
医師として医学を理解されている立場だからこそ、「エビデンスだけでは説明できない部分がある」「症例経験も重要である」と書いてくださったことは、私にとっても大変励みになる言葉でした。不妊治療は科学であると同時に、一人ひとり異なる背景や経過を見極めながら進めていく医療でもあります。
また、仕事との両立や経済的負担、精神的な葛藤についても率直に書いてくださったことは、これから治療を始める患者様にとって大きな支えになると思います。
特に「今の自分を許してあげてください」という言葉には、多くの患者様が救われることでしょう。
そして最後まで私たちを信じ、治療を続けてくださったことに心より感謝申し上げます。
今回のご妊娠は、ご夫婦がお互いを支え合い、何度も立ち上がりながら歩み続けられた努力の結晶です。
これからは、ご夫婦で新しい命を迎える日を楽しみに、お身体を大切に穏やかな毎日をお過ごしください。
ご家族皆さまの末永い幸せを、スタッフ一同心よりお祈りしております。
このたびは本当にありがとうございました。そして、ご卒業おめでとうございます。