学会発表・論文発表
Publications & Presentations
ART反復不成功例の診断別胚盤胞移植法の臨床成績(富山達大)
2001年
日本受精着床学会 (横浜)
大阪New ART クリニック
New ART リサーチセンター
岡 親弘、向田 哲規、高橋 克彦、富山 達大
目的
我々は胚盤胞移植法(BT法)がART反復不成功例の治療に有効であることを過去3年間報告してきた。今回BT法の臨床成績をARTの適応および方法別に検討したところ新たな知見を得たので報告する。方法
対象はHART3クリニックで2000年1月から12月までにBT法を行った278人351周期である。全例過去2回以上通常IVF(ICSI)を施行するも妊娠に至らなかった症例である。101人に114周期のIVF, 男性因子72人に96周期のICSI、IVFにて受精率が低く(30%以下)その後ICSIを施行した原因不明受精障害105人に141周期のICSIを行った。成績
IVFでは109周期でBTを行い、(BTキャンセル率4.4%)、54例の妊娠を得た(BTあたり49.5%周期あたり47.4%)。男性因子による ICSIでは87周期でBTを行い(キャンセル率11.3%)、34例の妊娠を得た(それぞれ39.1%、35.4%)。原因不明受精障害によるICSI では119例のBTを行い(キャンセル率15.6%)、32例の妊娠を得た(それぞれ26.7%、22.7%)。原因不明受精障害のICSIのBTキャンセル率および妊娠率はIVFのそれに比して有意に悪かった。(それぞれp<0.005、p<0.001)。結論
IVF反復不成功例の半数ではその原因が子宮内環境にあると推測され、BT法が最も効果的な治療法と考えられた。原因不明受精障害の症例ではBTキャンセル率が高く、すなわち胚盤胞まで発育しない症例が多く、また胚盤胞に発育しても妊娠率が低いことからその原因は卵の質にあると推測された。男性因子では有意差はないものの(p=0.07)キャンセル率が高い傾向にあることは、ICSIで受精してもsperm dysfunctionのため胚盤胞まで発育しない症例が少なくないことを示唆した。BT法は反復ART不成功の原因究明にも有効であると考えられた。