学会発表・論文発表
Publications & Presentations
原因不明受精障害例に対するRecombinant FSH(r-FSH)の使用経験(富山達大)
1999年
日本受精着床学会 (熊本)
大阪New ART クリニック
New ART リサーチセンター
岡 親弘、中村 早苗、向田 哲規、高橋 克彦、富山 達大
目的
ICSIを行っても受精率の低い原因不明の受精障害の症例では、卵の質に原因があることが少なくない。卵の質の改善を目的に、欧米では既に主流になっているr-FSHを使用して、その効果を検討した。方法
我々が過去3回以上ICSIを行っても採卵あたりの受精率が30%未満で、この治療法を希望した7名を対象とした。平均年齢は33.8歳で(33-37)で、平均ICSI回数は4.3回(3-6)であった。全例long法でdown-regulationを行い、生理3日目より自己購入したr- FSH225Uを開始、8日目より卵胞計測、E2測定を行い、最大卵胞径が18mmに達したらHCG10,000単位投与、36時間後に採卵、ICSIを行い、翌日受精の確認を行い、症例によって3日目にAHA後の胚移植か、あるいは5-6日目に胚盤移植を行った。結果
従来HMG法との比較をした表を下記に示す。| 平均採卵数 | 平均MII数 | 平均受精卵 (MII当り) |
分割率 | 平均胚移植数 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| HMG | 13.9 | 6.3 | 38.8% | 63.4% | 1.7 | |
| r-FSH | 15.0 | 9.1 | 57.8% | 86.5% | 3.8% | p< 0.05 |
考察
r-FSHの利点は、その純粋性による品質の均一性、大量生産が可能となったためで、従来のHMG剤と比べても効能、副作用の点で差はないと報告されている。凍結解凍胚移植では、r-FSH使用例のほうが有意に妊娠率が高かったという報告もあり、今回は卵の質の向上を目的として使用を試みた。症例は少ないものの有意にMII卵数、受精率、胚移植数は向上したので、今後症例を増やして成績を発表する。