私は医師になる前から“卵”の持つ凄まじいまでのパワーに非常に興味がありました。医師になってからも“死”を扱う仕事より、“卵”の持つ“生”や“創造”の力を扱う仕事がしたく、この不妊症治療の分野にのめり込んで行きました。
その頃、不妊症治療の分野では生殖医療の3大革命の1つに数えられる顕微授精が産声を上げていました。今までの体外受精とは根本的に異なる顕微授精の時代の幕開けを確信し、生殖医療が大きく変化・発展する時代へ突入するのを感じていました。

これから大きく不妊症治療は進歩していくのを肌で感じ、不妊患者にとって最良で最善のクリニックを造るべく、大阪の中心地・梅田に不妊症専門クリニックを実現したのが20年前の34歳の時でした。
開院当時から最新の知識と最新の技術の導入に努め、世界中を駆け巡り様々な情報を集めてきました。生殖医療は未だ完成したものではなく、まだまだ進化を続ける現在進行形の治療だからです。
この20年間は、私が理想として考えた不妊症治療を行うために、如何にレベルの高い不妊専門スタッフ集団としてあり続ける事が出来るか、その難しさとの戦いでした。
その結果、20年の間にある程度その夢は果たせたのではないかと考えています。
私は次の夢として、今までの経験をこれからの若い人々に伝えていきたいと考えています。知識や技術はもとより、人生の考え方まで含めて次の世代の若い人達を育てていこうと考えています。