卵管鏡下卵管開口術(FT)
FTは、卵管通過障害(卵管狭窄、卵管閉鎖)の場合に行われます。静脈麻酔で可能な日帰り手術であり、リスクも低く、健康保険の適応になったことから、患者さまからの要望が高く、当院でも実施しています。
FTは、膣および子宮を経由して、卵管鏡を卵管口から卵管内に挿入します。卵管鏡(0.6mm)先端の風船(1.2mm)を膨らましながらゆっくりと、トンネルを掘るように進めていきます。卵管が狭窄あるいは閉鎖している部分を通す際に抵抗がありますが、風船の圧力を高めて鈍的に開通します。卵管内の様子を確認することもできます。閉塞した卵管において、卵管通過性の回復は95%~98%に認められます。閉塞していない卵管においても、潜在的な狭窄部位を認めることがあり、両側の開口術が勧められています。また、妊娠する場合の多くは術後半年から1年以内であるため、妊娠に至らない場合には(卵管の機能に問題があると推測され)体外受精が望ましいと考えられます。術後の卵管の再閉塞は3ヶ月で5%程度と報告されています。