体外受精:受精卵の凍結

受精卵の凍結について

受精卵の凍結のイメージ

胚移植数は、個人差はありますが、多胎妊娠を防ぐために当クリニックでは原則2個以下に制限しています。ですからそれ以上多くの良質な受精卵ができた場合は希望があれば凍結保存をしておきます。そうすれば今回妊娠に至らない場合でも、次回(1~2ヶ月後)採卵をしないでこの凍結受精卵を融解して戻すことで妊娠が可能になります。また、凍結後1年間保存しますので、妊娠・出産後も同様に次の妊娠・出産が可能になります。なお、凍結受精卵は、凍結日より1年間経過する頃に連絡をとり、ご希望があれば、さらに凍結期間は延長できます。その時点で考えていただき、手続きを行っています。凍結期間の延長は原則無制限に可能ですが、妊娠出産を考えた場合早めに凍結胚移植を行う事をお勧めします。妊娠出産された場合は、出産後1年程度を目安にしています。

受精卵の凍結によるメリット

又、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の発症リスクを低下させるメリットにもなります。OHSSの場合、副作用と妊娠率を考慮してすべての胚を凍結保存する事があります。
当院では、胚盤胞移植法の浸透と共に、新しい胚凍結法〔Vitrification法〕を導入し、胚移植あたり40.6%という安定した高い妊娠率を得ています。(2008年)そのため、積極的に全胚凍結保存を行い次周期に胚移植を行うこともあります。

大阪New ARTクリニックの凍結技術

凍結した受精卵は、融解して、全て正常に戻るわけではありません。現在では95.7%の確率で正常に戻り、胚移植しています。
胚盤胞移植の普及と新しい凍結法・Vitrification法の開発により、より安定した凍結技術が確立され、胚凍結による妊娠率は向上し非常に安定しています。
当院ではレーザーを用いて胚に優しく凍結保存を行う方法を確立しています。
また、凍結融解後は胚の周りを取り囲んでいる透明帯が硬化するため、全例にレーザーによるAHA法(透明帯開口法)を行っています。当院では様々な統計やデータをもとに生殖補助医療技術を選択しています。