治療をやめてしまわれる方の原因の多くは、精神的な負担から解放されたいという気持ちからだという研究報告があります。
心にも身体にも負担が最小限であることが治療として最も理想的だと思います。しかし、治療の性質上、身体的・心理的負担は避けられませんし、時には負担に見合った成果を得られないこともあります。万一、そのような負の体験をされた場合にも、患者さまにとって治療を受けられたことが意味あることとして、その方の生活や人生に返っていくようにお手伝いしたいと思っています。
実際に、不妊治療を契機に価値観や対人関係のあり方に変化がみられる方がおられます。これは、治療を選択された二次的な効果ではないでしょうか。
たぶん、カウンセリングを受けられると、そういうことをよりはっきり自覚されると思います。
ごく普通の方々が生活していく中で、誰にでも何かつらいことが起こったり、今までのやり方では対応できなくなることがあります。そのような時に私達臨床心理士は、気持ちを整理し、物事や人との関わり方を見直すことで、新たな自分らしさを発見していただくお手伝いをさせていただいています。
臨床心理士のご紹介
痛みとリラクゼーション
採卵や胚移植など初めての体験に遭遇する時に、『わからない不安』から、『緊張』に移り変わり、普段なら何でもないことが『痛く』感じてしまうこともあります。皆様にリラックスして、採卵や胚移植を受けていただけるよう、当院では、体外受精を受けていただく方には、『痛みとリラクゼーション』のグループ講座を受けていただけるシステムをとっています。リラクゼーションは、毎日少しずつトレーニングすることが重要と言われています。予約制になっていますので、事前にスタッフまでお申し出下さい。
院長より
頭では理解しているけれど、心がついていかない……不妊治療を受けられている方々の中にはこのような“頭と心のアンバランス”を経験されることがよくあります。アンバランスな状態は誰にでも起こることですが、バランスが大きく狂ってしまうと修正するのに時間がかかることが多く、精神的に治療を続けることが難しくなってしまいます。そうなってしまう前に専門的な臨床心理士と一度お話されてみてはいかがでしょうか?