学会発表・論文発表

日本生殖医学会(2013.11.15-16 神戸)

Hatching Blastocystの凍結融解後における回復状態についての検討

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

大原 知子松葉 純子横田 麻里子炭谷 美保細川 由紀上野 紗也香椎名 薫森本 有香原武 佑樹富山 達大
  • 目的

    凍結融解胚盤胞のうち、Hatching Blastocystで凍結融解後に回復が不良な胚が認められる。今回我々は、HatchingBlastocystの凍結融解後の状態について比較検討を行なった。

  • 方法

    2002年4月から2013年1月の間にIVFを実施し培養5日目に凍結を行なった645周期を対象とした。<検討1>Hatching Blastocystを凍結した209個を対象とし、脱出している細胞質の大きさが(A)30%以上、(B)30%未満の2群に分け、融解2時間後の回復良好胚盤胞率(凍結時の評価より胞胚腔の広がり、ICM、TEスコアはともに凍結時まで回復した胚盤胞の割合)を比較した。<検討2><検討1>と同じく凍結したHatching Blastocyst 209個を対象とし、胞胚腔の大きさを比較した。透明帯の厚さが胚直径の(C)10%以上、(D)10%未満の2群で比較した。

  • 結果

    <検討1>回復良好胚盤胞率はA群(18.97%;11/58)がB群(33.77%;51/151)に対し有意に低かった。
    <検討2>回復良好胚盤胞率はC群(32.40%;24/74)とD群(28.15%;38/135)で有意差は認められなかった。

  • 結論

    Hatching Blastocystにおいては、胞胚腔の拡張度ではなく細胞質の脱出(細胞表面積の増加)の程度が回復率に影響することが示唆された。