日本生殖医学会(2012.11.8-9 長崎)
採卵前の血中プロゲステロン値に関する検討
大阪New ART クリニック
New ART リサーチセンター
横田 麻里子松葉 純子橋口 綾乃炭谷 美保細川 由起上野 紗也香大原知子貴志 瑞季椎名 薫森本 有香富山 達大
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目的
調節卵巣刺激周期において、hCG投与前に血中プロゲステロンの上昇が見られると妊娠率の低下が見られるという報告がある。当院では調節卵巣刺激を行なっている患者においてhCG投与前に採血を行ない、エストロゲン値と同時にプロゲステロン値(以下P値)の測定を行なっている。この研究ではP値によって妊娠率に差が見られるかどうかについて比較検討を行なった。
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方法
2011年7月から2012年3月までに当院にて卵巣刺激(GnRHアゴニスト法およびGnRHアンタゴニスト法)を行ない、採卵数5個以上でIVFまたはICSIを行なった206周期を対象とした。患者を採卵前に測定したP値を基に1.0ng/ml未満、1.0ng/ml以上の2群に分類し、妊娠率を比較した。
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結果
検討の結果、P値が1.0ng/ml未満の群の妊娠率が28.6%(40/140)、1.0ng/ml以上の群の妊娠率が12.1%(8/66)となりP値が1.0ng/ml以上の群で妊娠率が有意に低下した(p<0.01)。
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結論
hCG投与前に測定したプロゲステロン値が1.0ng/ml以上の場合、妊娠率の低下が起こることを胚移植時に考慮すべきである。