学会発表・論文発表

日本生殖医学会(大阪)

当院におけるLaser assisted ICSIの検討

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

宮田 広敏福富 紀子松葉 純子横田 麻里子小泉 あずさ梶原 慶子寶來 佳子富山 達大
  • 目的

    LaserはARTにおいて透明帯処理法の1つとして活用されている。当院では2004年11月より、Laserを用いて透明帯を半分程度に薄くした後にICSIを行う方法(以下Laser assisted ICSI)を行っている。ICSI時にLaserを使用して透明帯処理を行うことにより卵子への影響があるかどうかを検討した。

  • 対象・方法

    2004年1月から2006年4月までに当院で行ったICSIのうち、Laser assisted ICSI群と透明帯処理を行わなかったICSI(以下Non laser ICSI)群に分けて比較検討を行った。

  • 結果

    Laser assisted ICSI群とNon laser ICSI群の胚盤胞到達率(51.6% vs 48.7%)、妊娠率(35.7% vs 36.5%)、着床率(17.4% vs 17.9%)においては差を認めなかった。胚盤胞あたりのHatching率は27.0% vs 19.7%とLaser assisted ICSIで胚盤胞あたりのHatching率が有意に上昇した。しかし、Laser assisted ICSIにおいて多胎は認められなかった。

  • 結論

    Laserの卵子への影響については妊娠率、着床率上では問題は無いと考えられた。Laser assisted ICSIは胚盤胞あたりのHatching率を上昇させることが判った。しかし、それによって多胎率を上昇させるものではなかった。Laser assisted ICSIは胚培養士の熟練の程度やICSIニードルのLot間差などの要素が入りにくくなり、技術的安定化という点において有用であると考えられた。