PGD(着床前診断)

研究段階の技術

不妊生殖医療補助技術は日進月歩であり、まだまだ現在進行中です。
現在、治療として効果が確認されている技術もありますが、まだまだこれから改善の余地のある研究段階の技術もあります。ここでは、これから改善されていく余地のある技術に関する情報をとりあげました。当院としても今後、安全性と効果を検証しながら取り組んでいきたいと思っています。

PGD:着床前診断(preimplantation genetic diagnosis)

PGD(着床前診断)とは、体外受精卵から一部の割球を取り出して、受精卵の段階で染色体を調べる検査法です。
1990年、Handysideらによって臨床応用が始まり、現在までに4000周期以上のPGDがアメリカを中心にヨーロッパやアジア各国で実施されています。(デンマーク・スペイン・フランス・スウェーデン・ノルウェーなどは条件付での実施を認めています)日本国内においては、重篤かつ治療法が見出されていない遺伝性疾患および染色体転座に起因する習慣流産に限りPGDが適応されています。

割球の採取の様子
割球の採取の様子の詳細図

従来の出生前診断では、羊水やさい帯血を用いて検査しますが、妊娠後の検査になるため中絶を選択する場合、母体への精神的肉体的負担が大きいというデメリットがありました。一方でPGDは、妊娠後の無用な中絶を回避できる、遺伝性疾患を持つため妊娠をあきらめていた夫婦が安心して妊娠できる等のメリットがあります。

しかし、PGDは出生前診断と異なり短期間で少ない細胞から診断をしなければならず、診断精度に問題があります。そのため、PGDは着床前診断(Diagnoshis)ではなく、着床前スクリーニング(Screening)だと考えられています。今後、日本で広まるかどうかは社会の認知・診断精度の向上・産婦人科学会などの専門家の見解により決まっていくと考えられます。