学会発表・論文発表

日本生殖医学会(神戸)

培養5日目桑実胚におけるグレーディングの有用性の検討

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

宮田 広敏福富 紀子松葉 純子小泉あずさ横田 麻里子橋口 綾乃日貝 千春富山 達大
  • 目的

    胚盤胞培養において培養5日目(D5)に桑実胚がある症例は多く見受けられる。昨年、我々はD5桑実胚であっても、凍結融解胚移植(FET)を行い胚発育と子宮内膜の同期化をさせることで、妊娠が可能であることを報告した。今回、D5桑実胚の形態的特徴が凍結時期決定の指標となるかどうかを検討した。

  • 方法

    当院において2006年1月から2008年4月の間に、インフォームド・コンセントを得てIVF-ETを行った症例のうち、D5に桑実胚が認められた 420周期を対象とし、それらの桑実胚の形態的特長をTaoらの桑実胚の評価方法に基づいて、グレード3 (G3:good) 、グレード2 (G2:intermediate)、グレード1 (G1:poor) に分類した。D6まで培養した胚はその発育を比較し、D5で凍結した桑実胚は融解後1日培養してFETを行い、その着床率を比較した。

  • 結果

    D5桑実胚のグレード別胚盤胞到達率はG3:88.9%、G2:78.3%、G1:45.9%、良好胚盤胞率(3BB以上)はG3:40.7%、 G2:33.3%、G1:6.8%と、いずれもG1が有意に低かった。また桑実胚をD5に凍結しFETを行った胚の着床率は、G3:28.6%、 G2:19.4%、G1:0%とG1の着床率が有意に低かった。

  • 考察

    D5でG3およびG2であった桑実胚は良好胚盤胞への発育率も高く、FETの着床率も高かった。しかし、G1であった桑実胚は良好胚盤胞への発育率および FETの着床率も低く、D5で凍結に適した胚であるかどうかの判断は難しい。桑実胚の凍結時期決定の基準のひとつとして、グレードによりG3およびG2は D5で凍結し、G1はD6まで培養して、良好胚盤胞に発育した胚をFETに用いることは有用であると考えられた。