学会発表・論文発表

日本生殖医学会(秋田)

ICSIにおける卵丘細胞との共培養の検討

大阪New ART クリニック

New ART リサーチセンター

松葉 純子福富 紀子宮田 広敏小泉あずさ横田 麻里子梶原 慶子橋口 綾乃富山 達大
  • 目的

    ICSIは重度男性因子の症例や、IVF受精不成功例に適応され、今日まで多くの出産例が得られている。しかしながら IVFにくらべ、ICSIは発生が遅く、不良なケースが多く見受けられる。このような差は患者背景が大きく影響していると考えられるが、IVFは受精の間、卵丘細胞と供培養しているのに対し、ICSIではヒアルロニダーゼ処理をすることにより卵丘細胞を除去することも理由のひとつと考えられる。そこで ICSI後の卵と卵丘細胞を共培養することで、受精率やその後の発生率が上昇するのかを検討した。

  • 方法

    ICSI胚の卵丘細胞との共培養の効果を調べるため、成熟卵子が4個以上得られた12症例を対象とし、同一症例で共培養群と通常培養群とに二分した。ICSIでは卵子をヒアルロニダーゼにて裸化するが、共培養群ではヒアルロニダーゼ処理前に卵丘細胞を21G針でカットしておき、ICSI後の卵子と培養液に入れ、初期分割確認時まで共培養を行った。初期分割の確認はICSI後24~26時間後に行った。残りの半分は共培養を行わなかった。その後初期分割率、Day3での発生率、Day5での胚盤胞到達率を両群で比較した。

  • 結果

    卵丘細胞との共培養を行った群の受精率は67.9%(38/56)、通常培養群では54.3%(25/46)で有意な差はみられなかった。しかし初期分割率(35.5% v.s.0.0%,p<0.05)、胚盤胞到達率(57.1% v.s.26.1%,p<0.05)で共培養を行った群で有意に上昇した。また、Day3での分割停止胚の割合は共培養を行わなかった群で有意に上昇した。(13.5% v.s.40.0%,p<0.05)

  • 結論

    卵丘細胞との共培養がICSI胚の発生に有効であると考えられた。